長かったオリオンの刻印もあと6話。
なんか唐突に出てきた意識高い系女子にオリオンの闇を全て擦り付け、そいつ倒せば全部解決しそうな空気になった準決勝「ガーディアンズオブ・クイーン戦」。
(なお、なんも知らないとか言ってた監督の発言は端から充てにしてない)
収集つかなくなってきたので、巨悪に責任擦り付けて、そいつ倒せば完結できる空気にするのはイナイレや日野社長だけの話ではないが、もうあと6話しかない話を巻きに来たなと感じる終盤戦。
もう豪炎寺はそんな遅くまで足が治らないなら、ラストリゾート伝授だけして代表枠譲ったほうが良かったのでは?というくらいベンチに居座ってたが、ここでようやく活躍の兆しを見せ始めると思っていた……。
44話
いきなり肘や膝につけたサポーターによって筋力を増強するドーピングアイテム使用の開幕反則スタート。
加速された彼らの走り方が最早ギャグ漫画。
選手が試合序盤すら耐えきれず疲労するレベルの馬鹿アイテムだが、冷血な女王の為ならなんのその。
前回、反則のフリすることには賛成してめっちゃいい笑顔で石鹸持ってた明日人だが、野坂による「相手選手同士を接触させることによって自滅を狙う」と言う一見(どう考えても)卑怯とは言えないが相手への怪我を顧みない作戦を「相手が卑怯だからといってこちらが卑怯な事をしていて理由にはならない」と一喝。
具体的な代案を立てられないが、それでも嫌だと子供のように叫ぶ彼の姿。
そもそも彼は子供だ。
田舎暮らしであり、ずっと話の本題にも混じれず葛藤から答えを導けるような精神的成長もなく、イエスマンな仲間しかいないまま、見てる視聴者にも「これ以上怪我させない為に大怪我しない程度に怪我させる」か「自分の誇りを傷つけたくない」と言う二択に迫られ、そんなのどっちがいいかなんて分からない!と叫んでも仕方ない。
こんな準決勝まで来て主人公に成長の兆しもないシナリオを用意した奴が悪い。
そんな裏で、もうなんか存在が面白くなってきたパワフルゴリラマーマとすっかり怯えてしまったベルナルド。
選手たちのサポーターの使用中止を訴える新条をマーマは平手打ち。
かなりの距離吹っ飛んで壁にめり込んだシーンはもはやなにか超次元的な何かを感じずにいられなかった。
どうでもいいけど「暴走チャリオット」それシュート技なんだ……。全然ドリブル技とブロック技出てこないなこのオリオン。
45話
頭に橋乗せてる子やキーパーの子とか可愛い女の子多いなとか思ってた方がまだいいか。
ここまで試合中はずっと空気だった稲森明日人が存在感を発揮させる。
髪型が独特なキャプテンは葛藤を抱えていたが、筋力増強サポーターの事情についてはなんか選手ごとに情報の差がバラけており、あっさり明日人とキャプテンの「それ外せ!(マーマからの命令だという嘘込み)」のやり取りだけで全員外すのだった。
八つ当たりでぶっ叩かれるベルナルド様。
死んだろとしか思えなかった新条は普通に生きてた。
試合は久々の「ホッキョクグマ2号」によって1点盛り返すも最早受けを狙ってるのかと言うパワフル四字熟語マーマの「懲戒解雇ビンタ」と明日人の偽父再登場によって再度サポーター装着。
そして長らく引っ張ってきた明日人の新必殺技が遂に、ようやく、ここにきて発動。
明日人の新技「サンライズ・ブリッツ」。まさかの初登場補整が効かない……主人公。
そんな彼は禁断の技である「グリッドオメガ」を使うよう自分から進言。
前回の自分の発言を思い返してほしいところだが選手生命がかかった状況で四の五の言ってはいられない。
彼の発言が数十分前と食い違ってることは多分野坂さんも戸惑ったろうが、唯一の作戦反対側だった明日人の横槍がなくなったことでもう追求する理由も躊躇う理由なく「グリッドオメガ」の使用を決行。
そしたらまさかの敵側に「グリッドオメガ3.0」を返された。
大ピンチのイナズマジャパンに、豪炎寺がようやく登場。明らか狙って言わせた臭い「待たせたな」の名言と共に。
なお「本当に愚かなのは過ちから目を背けることだ」と言う格言。マーマからの命令一つですぐサポーター付け替えする人間からの発言だ。
46話
咄嗟に真空波のクッションを作っていた灰崎のおかげで全滅こそ免れたものの、雑に退場させられたアフロディ、のりか、砂木沼には涙を禁じえない。
そんな中、ようやく再登場した豪炎寺がどんな活躍するのかと思ったら「ファイアトルネード」1回止められただけで野坂、灰崎、明日人と小僧丸に継承した「ラストリゾート」完成を見守る役。
もう代表枠譲ったほうが良かったのでは!?
そうしていたらなんとキャプテンによる「ラストリゾートD」と言うカウンター技。
ラストリゾートもグリッドオメガも研究されたかららしいのだが、新技の「サンライズ・ブリッツ」は初見で防がれる程度の威力だったということで良いのだろうか。
そんな「ラストリゾートD」を更にカウンターするには更なるラストリゾート。
一星が加わることによってオリオンの刻印の四大主人公による「ラストリゾートΣ」によってゴールを奪う。
が、なんとここで「ラストリゾートΣ」の衝撃によって敵選手全員がダウン。
2-3で負け越したまま棄権したことで決勝進出への切符を手にする。
なんだこの試合。
なんだこのアニメ。
試合中、豪炎寺から小僧丸にパスするまでにくっちゃべり過ぎだし、「ラストリゾートD」を防ごうとしてる小僧丸の時間も長すぎてテンポも悪いし。
なんで豪炎寺から継承した必殺技を四大主人公が放つと言う展開でこんなクソ展開になるのか。
このアニメ、あと3話しかないのに2試合分も残っているくらいカツカツの尺になったせいだろう。
<
散々どうでもいい日常回や長々した回想シーン挟んでる余裕あった癖に、尺配分明らか間違ったとしか思えない。
結局ガーディアンズの回想シーンすらないまま畳まれることとなった。(恐らく本戦で戦った相手と同じ理由なのだろうが)
ここまでずっとフロイへの描写は長々描いた癖に、イナズマジャパン戦でチームと不和になったことはいつの間にか解決してたし。
あと、やっぱり新条さんが明日人のお父さんだったよ。
47話
もうあと3話しかない中で決勝戦。
結局、何だったんだ枠に入りそうだった序盤から登場していた記者も反オリオン側だったことが判明。
吹雪が新条とオリオンの不正の証拠()と言う都合のいい物を突き止めるのと同時進行で始まる試合。
フロイたちはマーマに洗脳され、ラフプレイに走ると言う最後の最後まで止まらぬ反則プレイ。
もう、監督やコーチたちの策が効かないとかイナズマジャパンのガイドやクソ監督の愛人が反オリオンのエージェントだったとか。そっちカットすればいいのに、巻き展開と止め絵で進む試合展開。
締めはエイリア編クライマックスの円堂による「サッカーやろうぜ」光線は見苦しくてみていられなかった。
オープニング流してさも熱い展開のように見せてるがもう辛い。
完全に追い詰められたマーマは最後の手段に出る……。
48話+49話
小林幸子ラスボスマーマの野望が発覚し、ぽっと出ラスボスと最終決戦。
対するはクソ監督の選ぶ世界選抜チーム。
影山は何しに来たの…?
最終回だけあってそこそこ作画が良い。
が、「どけぇ」などという円堂は見たくなかった……どけぇしといて友情とはどういうことなのか。
ユリカちゃんかわいいな。という話。
なんか突然、新技を大量に発動したり見た目的な見栄えはとてもよく、明日人がやっと主人公らしいというか、ずっと中身のないことを周りの言い続け、理想論ばかり振りまいて、主張もブレブレにさせられていた明日人がやっとらしいことをユリカに説いた。
「負けても次に勝てると信じて歩き続ければ終わりではない」
ドン底を味わった明日人だからこそ言えたことだろう。
遂に明日人が必殺技でゴールを決める。
ユリカちゃんとの一騎打ちで決勝点を決める。
本当影山は何しに来た……。
尚、マーマは警察にパクられるも完全には改心しなかったがベルナルド様とフロイにほんの少しだけデレたよ。
世界と夫に絶望した件と、ベルナルドに虐待、フロイは放置にしていた件が全くイコールにならないがもう時間ないんだ。
やっと新条さんが明日人のお父さんと発覚、偽父の言ってた怪我してチームに捨てられた降りは本当だったっぽいので、惨めな自分を晒したくなくて病弱な母と幼い息子を放ったらかしたことも本当になってしまった。
改めて、明日人は本当の父に言いたかったことを言えたが……。
明日人も(あんな偽者に言いたかったことを先に言っちゃって、これ言うの2度目になっちゃった……)みたいな無念もあったろう。
ここまでちっとも主人公らしいことに一つもさせてもらえず、主張はブレブレ。ゲームも発売してもらえないまま5年も経ってしまった無念の塊のような人物だ。
一体誰が彼を責められようものか。
こうして、オリオンの支配から完全に解放された決勝戦をダイジェストで仕切り直し、無事イナズマジャパン優勝。
明日人たはちは伊那国に戻りサッカーを島に連れ帰れたことで堂々とサッカーをする事ができ、再び雷門に戻った円堂たちと試合開始でエンド。
◆
以上!
長い戦いでした。
途中の虚無感というか、同じことの繰り返しというか。
敵が未来人であっても宇宙人であっても、悪魔、天使、幽霊、怪物であっても「サッカー」と言う秩序に則ってプレイをしてくるといういわゆる「サッカー脳」世界であるからこそ、どんな突飛な展開であろうが、時に笑いながら時にツッコミながらも、熱くなれる。
それが「イナズマイレブン」と言うコンテンツだった筈。
にも関わらず、サッカーをしているという前提を覆し「どう強大な敵に勝てばいいのか?」ではなく「どう反則をかわせばいいのか?」「どう敵の卑怯な手に対抗すればいいのか?」と言う展開に話がすり替わり
「反則でもしなきゃロクに勝てないような格下」を相手にしているというなんのカタルシスも得られないような展開だ。
敵側の選手もオリオン財団の庇護下にある為に「嫌でも従わなければならない」か「ノリノリで従っている」か「偏った教育によって自分の行動に疑問を持たない」というこの3パターンに分類され、特に世界編入ってからは嫌々従ってたパターンが本当に多く、何回この展開見てきただろうかと言うことの繰り返しだ。
◆
ここまでファイアー
ここからブリザード
最近、15周年記念動画が公開され「ああやっぱ自分イナズマイレブン」好きだったなぁという気持ちが蘇ってきて、無印やGoへの情熱が戻り、またかつての様に新作を楽しみに心待ちしているのも本心だ。
もう明日人シリーズはここで打ち止めとなってしまうが、新作での彼らはどう描かれ、どうなっていくか。恐らく主人公も変わってしまうので、あまり挽回の機会はなさそうだが、ここまで付き合ってきた身としては少なくとも全く知らないアニメの主人公よりは断然愛着もある。
彼らの新しい活躍を心待ちにしつつ、次回キャラ一人一人に焦点を当てた総評と、個人的ベストイレブンを考えて締めくくりたいと思う。