スタート
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「んんんんんっ!」
目隠しと口にガムテープを張られ
拘束されて蹲る少女が一人
言うまでもなく誘拐してきたところだ
彼女はそこそこ名のある令嬢だからだ
「ううううっ......」
厳重に縛った縄をほどこうと必死で
もがき続けている。
このまま放っても良かったが、長時間
目と口をふさぎ続けて精神的に不調を
きたすのは不味い
叫んだらただでは済まないと念押しし
まず最初に口のガムテープから剥がした
「ゲホッ……ゲホッゲホッ」
ずっと抑えていた咳と涎がとめどなく溢れ
咳はしばらく続いていた
「はぁ……はっ…はぁ」
少しずつ息を整えて、ようやく
落ち着いてきたところだ
「ちょっと、こんなことしていいと思ってるの」
彼女の言いたいことは色々あるだろう
しかし正論を言われて揺らぐくらいなら
最初からするまい
それから、目隠しも取ると彼女は
もぞもぞと縛られた体を動かして
自力で起き上がった
「ふぅ…………」
せっかくのところ悪いが
落ち着いてきたならば
また口だけは塞がせてもらう
いつ、叫ばれるか分からない
そのことを伝えると怯えたよりも
怒りを向けた顔つきになる
「あんた、こんなことして
分かってるんでしょうね」
気丈に振舞ってはいるものの
やはり恐怖心は隠せてなさそうだ
そんな彼女に追い打ちをかけるようだが
布の猿轡とガムテープを差し出した
「な、なによこれ」
口をふさぐことに変わりはないが
どちらにするかは彼女に委ねさせる
「ううううっ……」
悔しそうに歯噛みする
猿轡とガムテープ2つを見比べ
とても悩んでいるようだ
「私、叫んだりしないから......ダメ?」
「私、叫んだりしないから......ダメ?」
悪いが少なくとも交渉が終わるまでは
出来ないと強く言い聞かす
「ううううううっ……」
すると、ようやく決心ついたか
一つの方へ目をやる